FEATURE 05

INTERVIEW WITH DEGO

年末もおしせまった12月27日、SEXUAL Apadite で行なわれた2003年最後のbassinstinct。PEACEは、ゲストとして来広していた4HERO の DEGOにインタビューを試みた。風邪をひいて調子の悪そうだった彼だが、インタビューには実に快く応じてくれた。「音楽を作っている時以外は、いつもフットボールを見てるか、やってるかどっちかだよ。」と語ってくれた彼。飾らない、シンプルな考え方、生き方が垣間見られるインタビューでした。(nao)

N: 今回が初めての広島だったんですか?
D: そう。初めてだよ。

N: 印象はどうですか?
D: とってもいい所だよ!

N: 昨夜のパーティーのオーディエンスはどうでしたか?
D: なんと言うか・・・。すっごい「ハイプ」だったね。日本でDJをすると時々、みんな「楽しい」って言ってるんだけど反応はなくて、すごく静かだったりするんだけど。でも昨日はみんな、こう、怖いくらいだったよ。活気がありすぎて。見ていて楽しかった。

N: そうですか。今回あなたは一人で、DJとして来日されましたが、時には他のDJとツアーに回ったり、または他のアーティストと音を作ったりされますよね。一人でDJをする時と、他のアーティストと一緒に仕事をする時とで何か違いがありますか?
D: 僕は、他のアーティストと一緒にDJする方が好きだよ。なぜなら、その「誰か」は一緒にバイブを感じる、友達みたいな存在だから。 つまり、お互いに影響を与えあって、それにそれぞれのレコードの選択なんかにも(触発されて)より自発的になるしね。だから本音をいうと一人でやるのはあまり好きじゃない。もし一人なら、スタジオの仕事が一番好きだね。

N: 分かりました。では、あなたがプレイする音楽、または作っている音について聞かせてください。あなたのことをドラムンベースのDJだと言う人もいますが・・・。
D: いや、違うよ。

N: あなたは、本当にいろいろな違ったジャンルの音楽をプレイしますよね。いつも何からインスピレーションを受けますか?
D: 最初のインスピレーションは過去、そうだな、60年代とか70年代とかのジャズだったり、ダブだったりだよ。コンテンポラリーミュージックなんかにもいいのはあるよね。いろんなことにインスパイアされるよ。僕は一つのこと、一つのジャンルに固執するタイプじゃないんだ。全然違ったことを組み合わせるのが好きだよ、たとえばすっごいゆるい音と(テンポのよい)Hip Hopの組み合わせとかね。

N: 昨日それは感じました。
D: うん。それが僕なんだ。いろんなことが好きで、組み合わせや混ぜ合わせが好きなんだよ。それに気づいたのはドラムンベースを通じてかもしれない。でも、それだけをやってると、手錠を掛けられてしまったように
感じるんだよ。一つのことだけを続けるのが苦手なんだ。まるで、放浪したり、冒険したり、実験的であったりしてはいけないみたいに感じるとだめなんだ。一つのところに留まっていないといけないっていう感じがね。だから、いつもそこからは逃げようと思ってる。自分自身のために、そしていつも何か他のことができるように、いらないことを考えずに音楽に集中するために。自分がどんな音を聴いて、そしてどうしてそれを好きだったのかをいつも忘れないようにしている。ただそれだけに従って絵を描くんだよ。今僕のキャンバスは真っ白で、何でも好きなものを描けるよ。

N: おもしろい話ですね。
D: 自分のやることにガイドラインをもうけないんだ。だから何でも自由にできる。

N: もう15年いや、それ以上ですか?活動を続けられていますよね?
D: そう。約15年だね。信じられないよ!

N: 素晴らしいですよね。
D: そろそろ潮時かな?

N: 今おいくつですか?
D: 34だよ。

N: えっ?24?
D: 34才!(笑)

N: 若く見えますね!(PEACE注釈:お世辞ではなかったつもり)ええっとつまり、何歳の時に・・・いつ音楽を作り始めたんですか?
D: もうはるか昔だよ。高校生の頃のディスコ。みんなに音楽をかけてくれって頼まれる、そんな感じからレコードを集め始めて・・・。

N: いつDJになろうと決めたんですか?
D: いや、決めた覚えはないよ。大学に行って、バイトをやって、ただ普通に暮らしてた。ただいつも・・・。
友達がたまたまマークの知り合いで、やつは(非合法の)ラジオステーションを持ってたんだ。で、友達が「ラジオにでてみたら?」って言うからそれでラジオでショウをやったんだ。

N: そうなんですか。いつ音楽を始めたかを聴いたのは、その頃と今とで、シーンやそこにいる人たちが変わったと思うかどうかを聞こうと思ったんです。
D: んー。いろんなことがあったよなぁ。ゴッド!最初どんなだったか覚えてないよ!

N: 例えば、昨日なんかを思い出してほしいんですけど、すごく若いお客さんがたくさん来ていて、パワーがあって一晩中踊ってましたよね。私も若いときは何でもなくても朝まで踊ったりできました。それで、時々感じるんです。これと同じようなことがずっと続いていて、シーンは昔からあんまり変わってないんじゃないかって。
D: それは世代の問題だよね。僕がイギリスで普通DJをする時のお客さんの平均的な年齢は28才くらいだよ。年齢の幅があるんだ。23才くらいから40才くらいまでとか。だから、雰囲気も昨日のパーティーとは少し違っている。確かに、若いときには楽しむためのエネルギーがたっぷりあるからね。で、ある程度時間がたつと少し趣味が変わってくる。僕が最初に音楽を作ったときは本当にアマチュアだった。今はいろんなことが出来るようになった。初めて聴いた音楽を本当に楽しめるようになるまでに時間がかかることがあるよね。分かるようになるっていうか。遅い人もいるし早く学ぶ人もいる。でも、違いを知るって言うことは大切だと思うんだ。ロンドンではいろいろなラジオ局があって、ありとあらゆるものを聴くことができる。良いものを聴く耳を持つようになるんだ。ポピュラーミュージックは、その点では他にまさっていると思う。一見くだらない、無意味な事の繰り返しをしているように見えるけれど、その中で本物が淘汰されていくんだ。違いが分からなければ、どれがくだらないものなのかも分からないから、違いを知るってことは大切なんだ。それが分からない人が多い事が今は問題だと思うよ。

N: イギリスには行ったことがないんですけど、アメリカに行ったとき、確かにすごい数のラジオ局があって、どんな音楽を聴くかを選ぶことができるんですよね。日本では残念ながらそこまでバラエティーに富んだ音楽チャンネルがあるわけではなくて。それに、音楽のシーンはごく一部の種類の人々にコントロールされているようにも感じます。どう思いますか?
D: それはどうかな。確かに、昔はレーベルなんかと契約して、例えば5枚アルバムを出す事になったとしたら、事務所側の人間は3枚目くらいが売れればいいって、そんな風だったと思う。でも今は、いきなり1枚目からのヒットを期待されるんだ。1枚目がだめなら2枚目、ってゆう風にね。音楽産業を語れば、それは完全に売り上げにコントロールされているんだよ。音の質そのものよりね。それは悪い風潮だよ。

N: その中で、あなたはいつも違ったこと、新しい、おもしろいことをやり続けようとしているように見えます。そしてとてもうまくやっている。
D: 音楽学校に行ったわけじゃないから、とにかく手探りで進んできた感じだよ。ホントにやりたい事をやれるようになってきたのはここ2、3年のような気がする。自分の思うようにプレイ出来るようになってきたのはね。その前は、ヒットもあるけどミスも多い、そんな感じだったよ。それでいろいろな所に行きたかったのかもしれない。自分の居場所が欲しかったんだ。それもあるし、何でも進めておきたい性格なんだ。一つの事を長くは続けられない。飽きっぽいから。

N: 次の質問は、いろんな人に聞こうと思っていることなんですけど、「PEACE」という言葉についてです。あなたにとって、「PEACE」とは何ですか?
D: PEACEは、自分自信幸福で、平穏な感じ。不安や心配事のない平和な気持ち。純粋な幸福、人生のすべてのこと例えば家族や友人達にとても満足している、そんな気持ち。僕が「PEACE」について考える時、あんまりグローバルな意味ではとらえないな。ひとり一人がそれぞれの人生で幸福で、満足していなければいけないと思う。そこから広がっていくと思う。自分自信が幸せなら、他の人を傷つけようと思わないから。それは素晴らしい気持ちだと思うよ。それが「PEACE」の本当の意味だと思う。

N: 最後の質問です。好きな女の子のタイプを教えてください。
D: う〜ん。OK。まず、女の子じゃなくて僕は「女性」が好きだよ。自信があって、自分をきちんとある場所へ導いてくれるような。強い精神の持ち主。見た目には・・・。やせた女性は好きじゃないな。

N: 日本の女の子たちが聞いたら喜びます。いつもダイエットのことを考えてますから。(笑)
D: そうだね。あと、おもしろくて良く笑う人。自分自信を笑える人かな。

N: 今日はありがとうございました。
D: こちらこそ、ありがとう。